問題No.10

難易度 ★★★★

症例

45歳女性。喘息の既往歴があり、急性喘息発作のため救急外来を受診した。著しい呼吸困難を呈しており、酸素吸入、サルブタモール吸入、静脈内ステロイド投与が開始された。治療開始から数分後、心拍数の著しい増加が認められ、心電図が記録された(心電図A)。

12誘導心電図

問題No.10

この心電図の診断は?

○ A:心房細動
○ B:心房粗動
○ C:心房頻拍
○ D:房室結節回帰性頻拍

正解 B:心房粗動

この心電図のポイント

心房波を見極める

解説

心電図Aはいくつかの長いRR間隔を伴う規則的なリズムを示しています。したがって、リズムはregularly irregularです。心拍数は210bpmです。QRS波の持続時間は正常(0.08秒)で、形も正常です。QRS波がI誘導で陽性、aVF誘導で陰性、II誘導で等電位なので電気軸は約-30°です。

問題No.10

レート240bpmで規則的な心房波が見られます。波形はII誘導とaVF誘導で陰性です。長いRR間隔の時に2つの連続した心房波が存在しており、心房波が連続的に波打っている鋸歯状波であることがわかります。これは心房粗動の特徴ですが、心房レートは心房粗動で通常見られる約300bpmよりも遅いです。

問題No.10

房室伝導は主に1:1ですが、長いRR間隔は伝導されない粗動波によるもので、この時は房室伝導比が2:1になっています。ただし、粗動波とQRS波の間隔が徐々に延長した後にQRS波が脱落しており、その直後には間隔が短縮していることからウェンケバッハ型のパターンになっています。

問題No.10

心電図Aを記録した15分後に心拍数が低下して得られた心電図を示します(心電図B)。心電図Bでは明瞭な心房波が210bpmで見られ、これは心電図Aで見られる心房レートと同様です。典型的な鋸歯状波が見られる心房粗動であり房室伝導比は全て2:1になっています。

問題No.10-2

参考文献

ECG Challenge: April 14, 2015. Circulation. 2015 Apr 14;131(15):1371.

ECG Response: April 21, 2015

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