問題No.28

難易度 ★☆☆☆ 

症例

76歳男性。脈が飛ぶ感じを自覚し、12誘導心電図を記録した。

12誘導心電図

問題No.28

この心電図の診断は?

○ A:心室性二段脈
○ B:心室性三段脈
○ C:心房性二段脈
○ D:心室期外収縮2連発

正解 A:心室性二段脈

この心電図のポイント

収縮の種類と出現パターンを別々に判断する

解説

本心電図では、正常なQRS波の後に、予定より早いタイミングで幅広く変形したQRS波が出現しています。

この早期収縮では、QRS波の直前に明瞭なP波を認めず、QRS波は正常収縮と比較して著しく幅広く、形態も大きく異なります。したがって、この異常収縮は心室期外収縮と判断できます。

さらに下段のII誘導を見ると、

洞収縮 → PVC → 洞収縮 → PVC → 洞収縮 → PVC……

と、正常収縮とPVCが1拍ずつ交互に繰り返されています。

このように、正常収縮1拍ごとに心室期外収縮が1拍出現するパターンを心室性二段脈と呼びます。

本例ではPVCのQRS形態もほぼ一定しており、少なくとも記録範囲では単形性PVCによる二段脈と考えられます。

他の選択肢が違う理由

B:心室性三段脈

心室性三段脈では、典型的には

正常収縮 → 正常収縮 → PVC

という3拍を1周期とするパターンを繰り返します。

「三段脈」はPVCが3連発するという意味ではなく、3拍ごとに期外収縮が現れる配列を指します。本例では正常収縮とPVCが交互に出現しているため、三段脈ではありません。

C:心房性二段脈

心房期外収縮(PAC)が洞収縮と交互に出現した場合も二段脈となるため、「二段脈=必ずPVC」ではありません。

PACでは通常、予定より早く出現する異所性P波(P′波)が認められ、その後に続くQRS波は正常QRSと同様に狭いことが多くなります。

一方、本例の期外収縮では明瞭な先行P波を認めず、QRS波は著しく幅広く変形しています。このためPACではなくPVCが考えられます。

なお、PACでも変行伝導を伴えば幅広いQRSとなることがあるため、「幅広いQRS=絶対にPVC」とだけ覚えないことも大切です。

D:心室期外収縮2連発

VCの2連発(couplet)とは、

PVC → PVC

と、心室期外収縮が2拍連続して出現する状態です。

本例ではPVC同士が連続するのではなく、その間に正常収縮が挟まって、

正常 → PVC → 正常 → PVC

という配列を繰り返しています。したがって2連発ではなく、二段脈です。

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